Mapbox Tiling Service (MTS) では、デフォルトの制限値を増加させ、タイルサイズの制限値を設定できるようになりました。MTS では、大量のデータの視覚化やタイルセットの反復作業を改善させ、従来よりも 2.5 倍から 5 倍の機能をタイル化することが可能になります。
タイルサイズの制限が 500KB から 1,250KB に増加しました
従来はユーザーが素早くシームレスに地図を閲覧できるように、MTS は各レイヤーにサイズ制限を設けたタイルセットを生成していました。この制限はMTS が過度に大きなタイルを生成しないようにするためのものでした。タイルサイズが制限を超えた場合、MTS は Tileset Explore UI で警告メッセージを表示し、タイル サイズ制限を超えたレイヤーから機能が削除されることをユーザーに通知していました。
新しいデフォルトのタイル サイズの上限が 1,250KB に設定されたことで、お客様はこれまでの 2.5 倍のデータ量のタイルセットを利用できます。処理/レンダリングのパフォーマンスとタイルサイズの分析に基づいて新しい制限値を設定し、タイルセットのパフォーマンスを維持しながらより大きなデータを利用したタイルセットの生成を可能にしました。
自由にカスタマイズできるレイヤー サイズ
MTS では、シンプルなレシピ設定「layer_size: your limit」を用いることで 2,500KB までのレイヤーサイズを選択できるようになりました。
この設定の活用例として、New York Times の選挙区マップと EV 充電スタンドの事例をご紹介します。
レイヤー サイズを 2,500KB 以上に設定する必要がある場合は、予めサポートまでお問い合わせください。
容量オーバー時のトラブルシューティング
タイル サイズの制限超過によりタイルセットの機能が欠落してしまったとき、ソース データのどの部分が 影響を受けているか検知するのが困難な場合があります。MTS では、制限を最も大きく超えたタイルと、そのタイルに関連する layer_size をリストアップする capped_tiles を提供しています。
このツールは、特定のタイルの zxy の位置情報を判別する素晴らしいリソースとなっています。
New York Times の選挙区マップ
New York Times は、大統領選挙の結果を選挙区単位で集計しています。この集計には、デフォルト値よりも大きなレイヤー サイズが必要です。新しい設定可能なタイル サイズ制限では、1,500~2,500KB の範囲でタイルサイズのカスタム設定が可能となり、この問題を解決しています
TheUpshot が提供するオープン データ
このタイルセット(mapbox-public.election-with-results)は一般公開されています。
以下の例では、`layer_size`というレシピ オプションを設定して、タイルサイズの制限値を大きくしています。
EV 充電スタンド
米国エネルギー省は、米国内の EV 充電スタンドの位置に関するデータを提供しています。
様々な業界がこのデータセットを利用して、ユーザーが新しいルートや地域の中で充電スタンドを見つけやすくしています。この高密度の POI データは、大きなタイルサイズ (1,900KB) を必要とするため、デフォルトの制限値では capped_list で機能が欠落するという問題がありました。データ制限値が増加したことによって、米国全域で完全なデータセットを利用できるようになりました。
以下の設定では、`layer_size` を変更し、デフォルトのタイルサイズの制限値を大きくしています。
早速使ってみましょう!
パワフルなマップの可視化、ストーリー テリング、分析をするために多様なレシピが用意されています。今すぐ MTS を使ってデータのタイル化を始めましょう。
*本記事はMapbox Inc. Blogの翻訳記事です。