Mapbox Boundariesにある高解像度の国ポリゴンは、Mapbox Studioを使用しているすべてのデザイナーや開発者に無料で提供しています。個々の国のポリゴンには、主要な紛争地域の更新と4つの異なるworldviewのサポートが含まれており、正確な国レベルのコロプレス・マップ*や各国のスタイルを簡単に作成することができます。
*コロプレス・マップ:国民所得や人口密度など統計数値に合わせて色調を塗り分けた地図
Covid Controls社は、Mapbox StudioのBoundariesを利用して、Covid-19に対する各国の対応をリアルタイムで可視化しています。ロックダウンの状況、入国制限など、旅行者が最新のデータにアクセスできるよう、旅行プランニングサイト「Escape」のチームがこのマップをデザインしました。境界ポリゴンと繋がっているため、各国の公的規制やサービスの変更に応じて、データレイヤーが継続的に更新されます。
「各シェイプに対するデータの結合が非常に簡単なので、開発やデータメンテナンスの時間が大幅に短縮されました。Mapbox Boundariesのポリゴンの品質は、差別化されたユーザーエクスペリエンスを実現するために非常に重要です」by モヒット・シャー氏 Escape創始者
Mapbox Studioのデータ
更新された国の境界線のポリゴンはMapbox Studioで利用可能で、データをポリゴンに結合したり、単一の国をスタイリングするためのコードサンプルも更新されました。ISO alpha-2、ISO alpha-3、Wikidata ID、カラーグループ、UN M49リージョン&サブリージョンを含む、利用可能なすべてのプロパティのリストを含む、完全な詳細と仕様は、ベクタータイルリファレンスドキュメントページにあります。
MTSの社内利用とレシピ例の紹介
Mapbox Tiling Service (MTS)を使用して、境界線を継続的に更新しています。MTSはMapbox Boundariesの400万個のグローバルポリゴンをスクリーニングするために社内で使用しています。データ分析と可視化を向上させるために、米国議会の選挙区や州議会など、4つの異なるレベルの米国議会の境界線のコレクションも追加されています。
このタイルセットの作成に使用したMTSレシピ(設定文書)のサンプルです。
レシピを使った簡略化:
MTS でデータを簡略化するということは、フィーチャー・ジオメトリの頂点の複雑さを取り除くことです。頂点が増えるたびにベクトルタイル座標に変換する必要があり、変換する頂点が少ないほど処理やレンダリングが速くなるため、簡略化は有効です。
簡略化の値が低いほど、特徴がより正確に表示されます。上のレシピでは、特定の国の低ズームレベルで簡略化を最適化しています。モルディブのような小さな島国は簡略化されすぎないようにし、グリーンランドや南極大陸の形状は複雑な海岸線を簡略化して、最終的なタイルサイズを小さくしています。
属性IDの設定:
MTS のレシピでは、各属性に固有の属性 ID を設定します。Mapbox Boundaries の場合は、国のポリゴンごとに固有の ID を設定します。Mapboxでは各属性IDを、GL JSのsetFeatureStateなど、クライアントサイドでのデータ可視化に利用しています。
属性の順序を制御:
タイル内の属性の順序は、マップ上で重なり合う属性の見やすさに影響を与えます。MTSで属性の順序付けを指定することで、重なり合うポリゴンが、常に国のポリゴンの上に表示されるように設定できます。
必要な属性を選択して出力:
文字列としてエンコードされたベクトルタイル属性は、通常、かなりの量のバイトを必要とします。ソースデータに多くの属性がある場合、スタイリングに必要な属性のみをタイルセットに含めることが重要です。ここでは、MTSのレシピで allowed_outputが使われています。
*本記事は、Mapbox Inc. Blogの翻訳記事です。