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デジタルマップ活用の業界別事例

Mapbox Japanでは、業界別デジタルマップの活用方法やデジタルマップ導入による効果について紹介した資料をご用意しております。無料でダウンロードいただけますので、ぜひMapboxのビジネス活用のご参考にご利用ください。

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R-bies

スポーツの実践を通じて、 健康で心豊かな人生を送る人々を応援するR-biesが、Mapboxで一味違う地図サービス体験をユーザに提供

今回ご紹介する株式会社アールビーズ様の源流は、1970年代半ばにスタートした「月刊ランナーズ」。市民ランナーという言葉を世間に認知させ、時代に即して健康志向のランナーの皆さんと共に走り続けてきた企業でもあります。そんな老舗企業も、21世紀に入ってからはIT分野との連携によって、これまで以上のサービス提供で、大きな存在感を発揮しています。

今回取材させていただいた<.finisher(ドットフィニッシャー )>は各種マラソンなどの大会記録と連動した先進のレース動画完走証サービスです。2019年に取得した<.finisher>特許を軸に、ランナー視点に立った、開発と運営をおこなっています。今回は開発の責任者、デジタル本部デジタルプロダクト開発部の三井聖氏と栗本篤臣氏にお話をうかがいました。

取材:デジタル本部デジタルプロダクト開発部 三井 聖氏、デジタル本部副本部長 栗本篤臣氏

導入の目的

「2022年、株式会社アシックスと日本テレビホールディングス株式会社が共同で株を持つ形で新体制がスタートしました。それまでの組織とは形態が変わり、デジタル本部として、IT系サービスの開発と運用をひとつの部として受け持つようになりました。我々はそういう部署に所属しています。

具体的に言いますと、B to BからB to Cまで自社でアプリケーション開発し、それを運用部が実際にお客様に提案したりお客様と一緒にサービスを作りあげたりするという部署です。主なお客様、エンドユーザーはランナーの皆さん。実際に運動されているような健康志向の皆さんです。また応援されるご家族やご友人、大会開催地域住民のみなさま、B toB、B to Gでは、自治体様、一般企業様にも、ITテクノロジーを駆使したサービスを提供させていただいております。それも最終的にはランナーの皆さんに行き着きますね。自治体様へのサービス提供の例ですが、城マラソンなどは全国の自治体にまたがっています。可能性は大きく広がっていくと思います。」三井氏

<.finisher>は、ランナーがひとつのレースを終えた軌跡を、まるごとひとつの動画に収め、レースが終わった後も、自分ががんばった証の振り返りができるようなユニークなサービス。実際に衛星からのマップを利用してランナーがそのレースで見た風景を模擬的にリアルに再体験することができます。

「動画は、ゴール後数十分から閲覧可能になり、大会名とナンバーカードさえあれば、ウェブサイトにアクセスすることで、すぐに見ることもできる状態にしています。有料サービスになりますが、お手許でずっとご覧になりたい場合、ダウンロードしていただくことも出来ます。それもランナーさんの喜び、想い出のひとつだと思います。ランナーの皆さんにとっては優しいサービスだと自負しています。」三井氏

導入の経緯

「<.finisher>の肝になるベースマップは、色々な地図プラットフォームを見比べ検証した結果Mapboxのものが、より鮮度が高くアジア地域も豊富に揃っていたことも大きかったです。鮮度の高さ、これはよりリアルタイムに近いということを意味します。

導入前まで、VR的な要素を考えたり、多くの事を求めていましたので、それらの要求に応えることが出来ることを前提で色々トライアルをしました。その中でスタイルシートやレイヤーなどのカスタマイズ性に関する自由度が大きいということが、マップボックス決定のポイントとなりました。」三井氏

<.finisher>はWebベースの「JavaScript SDK」と衛星の「タイルAPI」を使用して作られています。開発期間は、Mapboxの採用決定後、作り込みを開始してからローンチまで約1年を要しました。

「今でこそマップといえばマップボックスと言われるようになっていますが、4、5年前の<.finisher>スタート時点では、Mapbox Japanが立ち上がる前でした。しかしすでに公式ドキュメントがとても充実し、しかも体系的にまとまっていたのでWebで検索すれば欲しい情報がすぐに出てきてくれる。事前知識がなかったにも関わらず、スピーディーに理解の度合いが深まるので、とんとん拍子にMapboxを使ってみようということになりました。サンプルコードも、ひとつひとつの機能に対してシンプルにまとまっていて、理解が容易で最初はとても助かりました。それに慣れてくると直感的な作業できるようになり、ドキュメントに頼らずに自らソースコードを書けるようになりました。オープンソースなので自分でコードを見ることができることも大きかったですね。これは素晴らしいメリットでした。」三井氏

導入の効果

色々なサービスプロダクトを持っていますが、ひとつひとつのサービスは少人数でのオペレーションでつくりあげています。<.finisher>では、サーバ側の作り込みを栗本、三井がメインの開発、後から入社した阿部が三井と共にサーバからデータをとってくるエンジン構築と実際に動画を作る作業などを兼務しています。ユーザーとのトリガー、インターフェイスとなるウェブ構築は阿部がメインでやっています。基本はその3人体制なんです。そしてMapboxだからこそ、この人数で自分たちの目的を達成できたのです。」三井氏

<.finisher>の使用方法は、ウェブサイトトップページで大会を選ぶことからスタートします。そこでは過去の大会も見ることができます。

「基本はそこにアクセスしていただくところから始まります。参画する大会に関しましてはイベントの主催者にリンク先をお伝えし、大会ホームページなどで表示していただくことで、Webへの誘導をしています。実際に、マラソンなどを完走された8割から9割の方が<.finisher>のページをご覧になっていただいています。大会は数千人規模ですので、この割合はものすごいことだと感じています。

実際のマラソンなどでは、ランナーが装着したRFIDタグをマット上で検知することでタイム計測を行っています。このデータが<.finisher>画面上に反映される訳です。」栗本氏

「ゴールシーンなどの3D映像に出てくる凱旋門のような絵は、「WebGL」で描いてます。「Three. js」というJavaScriptベースの3DCGライブラリでレンダリングします。ライブラリで構築してそのオブジェクトをマップボックスのタイルの上に載せて描画しています。実際に走っているアバターのランナーも同様の手法で作っています。

Mapboxを導入して公開した後、1度アップデートをしましたが、ヴァーチャル体験をリアルに感じていだだく動画にできたのが大きいですね。実際に走った方が見た風景に近いものを提供できることで、ランナーさんたちが走った時の想い出が、楽しく回想できることになる訳です。そういう意味では、Mapboxはまさにうってつけでした。

<.finisher>の機能を拡張する予定は、今のところ計画としていませんが、実はやりたいことはたくさんあるんです。現状、衛星画像がメインになってしまうので、そこの変化が乏しいと、記録・数字だけが変った動画になりかねません。それでは飽きられてしまうんです。ですので、衛星画像のアップデートは定期的にしていただきたいですね。あと、テイストの変わった衛星画像・・・、四季を感じられるタイムスパンですと、季節感も出て、よりリアルな体験ができるようになりますね。個人的には生成系AIに衛星画像を入力して秋にしたり冬にしたりといった自由な変化をつけられるような使い方を、ライセンス的にOKであれば、やってみたいと思っています。まだ現実的ではないですが、ちょっと違ったテイストを提供できる未来が来る可能性もあると思います。こんな思考になれるのも少数精鋭の利点です。」三井氏

将来の展望

「Mapboxは、地図の精度といったベーシックな部分以外にも、こちらサイドの無理難題を投げかけると、親身になって相談に乗っていただけるので助かります。質問に対して期待以上の答えを返してくれるんです。ですからこそ自由な発想でうちはサービスを作ることができるんです。うちのように他社とは違うこと、独自のエッセンスを加えたサービスをしたい、という意識を持った企業にとってMapboxはうってつけだと思います。いいパートナーとして、一味違う地図サービスを共に作っていけると思いますね。」三井氏

「Mapboxのニュースレターなどを見ていると、色々な地図、レイヤーの応用技術を出されていて、毎回見ながら使えるものがあるのではないか、使いこなしたいなと思っています。とても先進的なトライをしていることを実感していつも楽しませていただいております。<.finisher>は一応完成されていますが、SDKのバージョンのキャッチアップは常々しています。つい機能を再確認してコードを見てしまうぐらい、Mapboxファンになってしまいました。

当社のお城マラソンとMapboxさんの技術を使っている位置情報ゲーム的なコンテンツも、相互にいいパートナーとしてコラボレーションできる案件ではないかな、と思ったりしています。また、レースだけではなく、日常のランニングに向けた<TATTA>というサービスもあるのですが、コースとして行ったことのない場所にたくさん行こうとか、色々な場所を制覇することを競うような機能も備えています。そういったアプリにもジオフェンシングAPI的な、立ち入り禁止場所などのアラートを発するような仕組みなどを、ランナーの安全のために搭載することができるのかも知れませんね。」栗本氏

株式会社アールビーズ様の名刺は、肩書きのあとに、(ランナー )とか(トレイルランナー )という表記があります。「自分が使うサービスをつくりあげるという意識が根底にあるんです。こうしたサービスは自分で体験し、実践するのが早道だと思うんです。ユーザーさんの中にも同じランナー同士ということで、自然に入っていけるんです。」栗本氏 / 三井氏

「これからも、面白そうだからやってみようという発想、思いつきから生まれてくるものは、できるだけ大切に育てていきたいです。そこで初めて、自分自身が使いたくなるサービスが生まれてくるのだと思っています。」栗本氏

Maps feature data from Mapbox and OpenStreetMap and their data partners.

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