国際緊急人道支援に携わるスタッフは、十分な情報に基づいた意思決定を行うために、必要なデータを、必要なときに、適切な方法で入手する必要があります。これを実現することが国連人道問題調整事務所(OCHA)に設置された「Centre for Humanitarian Data」のミッションです。そのため、Humanitarian Data Exchangeのような、データを配布するためのオープンプラットフォームを構築し、データの収集や利用からコラボレーションに至までのスピードを向上させました。
OCHAが構築した「COVID-19 Map Explorer」は、人道支援の意思決定に必要な新型コロナウィルスの症例データ、難民や国内避難民の人口、食料市場の価格、予防接種の状況、資金調達のレベルなどの多くの関連データが統合されています。急速に変化する広範囲のデータを管理するため、OCHAはGitHubを活用してアップデートと配信を行っています。国と地方自治体の境界は公開データをもとに作成していますが、公式に承認されたものでなければなりません。クライアント側のデータとマップを結合して効率的に利用し、必要な指標データのみを読み込み、適切な色を割り当て、可視化しています。
新型コロナウィルスは、既存の人道的課題の状況をさらに悪化させています。パンデミック対策に人道的支援を必要とする63カ国のうち、34カ国が長期的な人道的危機に陥っています。コロナ対策の緩和はワクチン接種キャンペーンの計画にどう影響するのか、また、資金不足が原因でより深刻な問題に陥っている国はどこなのか。答えを知るためには、様々な地域や国を網羅する膨大な量の複雑なデータが必要となります。人道的支援の関係者に合わせて、すべてのデータを明確で使いやすいフォーマットで表示しており、老若男女問わずアクセスしやすい形でリリースしています。