病気は国境に関係なく広がりますが、行政や政治の境界は病気の発生を理解し対応する上で重要です。境界のデータセットは、ローカルおよびグローバルでのデータの解析と可視化に不可欠な、地理空間における土台となる部分を提供しています。
新型コロナウイルスの流行期間中、Mapboxの多くのお客様やパートナーの皆様がMapbox Boundariesを使用して、症例データの可視化、パンデミックへの対応、市民への情報提供などに役立てているのを見てきました。
これらの開発者の皆様は、正確な境界線情報を取得できることの重要性を強調しています。そのため、Mapbox Boundariesでは常にデータを更新してカバー範囲を拡大しています。ここでは、境界線データを活用している6つのパートナーをご紹介します。
米国疾病対策センター(以下CDC)
CDCの海外渡航情報マップでは、新型コロナウイルスに関する最新の健康情報(感染レベルや米国への入国制限など)が紹介されています。Mapbox Boundariesの行政レイヤーを使用することで、CDCはすべての地域とズームレベルで一致する、最新の国別ポリゴンをすぐに利用できるようになりました。
Sharecare
Sharecareが 新型コロナウイルス症例データのカスタムマップに Mapbox Boundaries を選んだのは、以下の二つの理由からでした。
- 可視化にはWEBとモバイルの両方で高いパフォーマンスを発揮するマップが必要なこと。
- データストリームの追加に応じて、新しい地域を追加できる柔軟なライセンスが必要なこと。
Mapbox Boundariesはベクトルタイルで提供されるため、非常に詳細な行政レベルのポリゴンを、パフォーマンスを低下させることなくレンダリングでき、データレベルごとのスムーズなズームを可能にします。さらにSharecareは、Mapbox Boundariesのポイントタイルセットを使用して、情報量の多い円形ドットを使用したマップを作成しました。
Project Lockdown
Project Lockdownのボランティアは、各国の政府による隔離や経済支援の状況を追跡し、対応策の成功を可視化しています。この可視化したマップでは、ロックダウンの状況に関するCSVデータと、Mapbox Boundariesの国別ポリゴン(admin 0)を組み合わせています。境界ポリゴンによって、洗練されたマップが実現されるため、ボランティアはデータの収集と更新に時間を割くことができています。
HealthIQ Bermuda
HealthIQ Bermudaは、バミューダ保健評議会が新型コロナウイルスの潜在的な流行地を特定するために、郵便番号の境界線を使用してマップを作成しています。CovidIQ.netのボランティア開発者は、ユーザーにとって直感的であることから郵便番号を採用しましたが、バミューダ保健評議会が正確で精密なポリゴンを入手することは困難でした。しかし、Mapbox Boundaries postalタイルセットを使用することで、ポリゴンの作成や調整よりも、医療機関向けのダッシュボードの作成に集中できるようになりました。
Covid Controls
Covid Controlsは、世界各国がパンデミックにどのように対処しているかを可視化するため、10枚の世界地図レイヤーを提供しています。これはMapbox Boundariesタイルセットを使用して可視化されており、データが収集されると地方の詳細情報も含まれます。このツールは、旅行サイト「Escape」のクリエイターが開発したものです。内容は毎日更新され、政府の規制や交通機関などの生活必需サービスの状況、現地の最新ニュースなど、世界各地で目まぐるしく変わる新型コロナウイルスの状況を知るのに役立ちます。
byCore
新型コロナウイルスの経済的影響が続く中、byCoreは、建設労働者から健康、仕事、賃金への影響に関する情報を集めるためのマップを作成しました。クラウドソースデータとMapbox Boundariesタイルセット(アメリカの州)の動的なデータ結合により(admin 1)、多くのデータが提供されるたびにマップが更新されます。
Mapbox Boundaries(境界データ)を使ったマップ製作にご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。
*本記事は、Mapbox Inc. Blogの翻訳記事です。