3Dビジュアライゼーション「Mapbox Standard」がMapboxのデフォルトのマップスタイルとしてどなたでも利用可能になりました。Mapbox Standardは、3Dランドマーク、シンボル、照明、霧などの機能の強化により、豊かなディテールを追加します。GL JS v3、Mobile Maps SDKs v11、Mapbox Studioにて、すべてのMapboxユーザーが利用可能です。
誰でも使える3D
Mapbox GL JS v3とMobile Maps SDKs v11 はデフォルトのスタイルとしてMapbox Standardを採用しています。Standardは、最小限の労力、開発者フレンドリーなツール、マップスタイルのメンテナンスへの簡素化されたアプローチで3D体験を提供します。
Mapbox Standardでは、都市部がカスタムデザインの3Dランドマークによって詳細がよりリアルに表示され、ナビゲーションが強化されます。マップデザインはシンボリックリアリズムを使用しており、お客様のロケーションデータを邪魔することなく、強調することが可能です。動的な日照、昼夜の自然な移り変わり、大気のエフェクトが、マップの現実感をさらに高め、レンダリングの改善により、マップを表示する際の迅速な読み込みを実現します。
改善された道案内と場所の詳細
Mapboxのお客様はStandardを利用して、より魅力的で有益なマップ体験を構築可能です。例えば、不動産会社では、他の観光スポットと関連させて物件リストを可視化しています。旅行予約会社では、ホテルや会場の周辺をより正確に表現します。自動車メーカーはドライバーに、より忠実なナビゲーション体験を提供しています。
Pursuit LabsのPursuitアプリは、ニューヨークのユーザーとイベント、コンサート、レストランなどの情報を提供しています。Mapbox Standardの3Dベースマップとランドマーク、Pursuit Labs独自のカスタマイズ位置情報データにより、ブランド化された体験が生まれます。
「Pursuit アプリは、地図を中心に回っています。Mapbox Standardを採用することで、私たちがMapboxを選んだ理由であるパワフルなデータビジュアライゼーション機能はそのままに、3Dの建物や手作りのカラーパレットなど、すべてのユーザーエクスペリエンスをレベルアップすることができました。」- Pursuit Labs、CTO、スティーブン・シルバー氏
3Dの追加新機能
Mapbox Standardのベータ版で発表した機能をベースに、正式(GA)バージョンでは、お客様からのフィードバックに基づき、UXを向上させる追加機能と改良を導入しています。新たな標高オフセットにより、スカイラインが読みやすくなり、シンボルやラベルがどの建物やランドマークを表しているかを区別しやすくなりました。
スタイルでは、夜明けの照明セットに、より暖かい照明が追加されました。新たな”垂直な”霧は、ランドマークが霧から区別できるように、霧レイヤーの高さを設定可能です。夜空ビューはより明るくなり、ランドマークには夜間の投光照明が追加されました。また、3Dアセットに風車が追加されました。
Mapbox Standardは、地方の3Dビューを強化し、より現実の地形に近づけるために、中間のズームレベルで3D地形をサポートするようになりました。
Mapbox Standardの3Dランドマークのカバー範囲は、フィラデルフィア、シドニー、サンディエゴ、メルボルン、エドモントン、サンアントニオが最近追加され、世界中で継続的に拡大しています。
合理化された地図開発
Mapbox Standardは、地図スタイルの維持に必要な技術的負担や地図作成の専門知識を大幅に軽減します。新機能の「スロット」は、ベースマップ内で明確に定義されたプレースホルダーを提供し、カスタムデータを追加するための最適化された場所として機能します。開発者は、カスタムデータを挿入するのに最適な場所を試すために、120以上のレイヤーを解析する必要がなくなります。さらに、厳選された設定オプションにより、すべてのマップレイヤーで変更を統一する必要がなく、ブランドやUXに合わせてマップをカスタマイズすることができます。
Mapbox では、カスタマイズした場合でも、ベースマップデータの更新を自動的にプッシュできるようになりました。
「Mapbox Standardスタイルを活用することで、屋内マップを外の3Dと合わせることができ、これまでにない方法で現実世界を模倣したマップ環境を構築することができます。ベースマップに独自のデータを重ねることができ、スタイルを効率的に管理できることが、Mapboxを使い続けている理由です。" - MapsPeople、プロダクトマネージャー、クリスチャン・クリステンセン氏
Mapbox StudioでMapbox Standardを使用する
Mapbox Studioでマップをデザインする場合、Mapbox Standardがデフォルトのスタイルになりました。StudioからStandardの設定オプションにアクセスしたり、カスタムデータレイヤーを追加することができます。
パフォーマンスと開発者エクスペリエンスの向上
最新バージョンの改良点は3Dスタイルにとどまりません。Mobile Maps SDKs v11はSwiftUIとJetpack Compose UIツールキットをサポートし、開発者の反復作業を高速化し、開発を簡素化します。
SDKs v11では、開発者がパフォーマンスの問題をより効率的に特定・分析できるAPI(iOSおよびAndroid)も導入しています。Tracing APIは、レンダリングエンジンによって実行された操作の詳細な概要を提供します。MapRecorder APIは、マップのインタラクションをキャプチャし、それらが作成されたアプリケーションから独立して再生することができます。
Webとモバイルのためのダイナミックビューアノテーション
ダイナミックビューアノテーション(iOSおよびAndroid)により、開発者は点だけでなく、円、ポリライン、ポリゴンを使用してビューアノテーションを配置する自由度が増しました。例えば、多角形(建物の角など)にラベルを貼ったり、カメラの動きに合わせてルートラインに沿ってラベルを貼ったりできるようになりました。このアノテーションは、ビューポートの更新と同期します。
早速始めてみましょう!
Mapbox Standardに関するドキュメントや、GL JS v3への移行ガイド、iOS/Android向けMobile Maps SDK v11を公開しました。
ベータ期間中にMapbox Standardをご利用いただいたお客様には、最新のSDKにアップデートしていただくことをお勧めします。以前のSDKバージョンではStandardベータエンドポイントを参照しており、今後アップデートを受け取ることはできません。
*本記事は、Mapbox Inc. Blogの翻訳記事です。