選挙日まで数週間となったところで、テキサス州のアボット知事は、州内の投票箱の数を各郡につき1つに減らす命令を出しました。この変更により、米国で3番目に人口が多い、470万人以上の人口を抱えるハリス郡では、投票用紙の投函場所が12カ所から1カ所に減ります。投票権を擁護する団体は、テキサス州の今回の変更で投票のために遠くまで行かなければならなくなり、これは有権者の権利を奪うものであるとして、同州を提訴しました。
Center for American Progress(以下、CAP)のチームは、Isochrone APIと国勢調査のデータを用いて、この変更が郡内の何百万人もの人々の投票へのアクセスを劇的に減少させたことを明らかにしました。
「アボット知事の命令以前は、ハリス郡の住民の87%が車で20分以内に投票所にアクセスできましたが、現在では29%の住民しか、従来通りの時間で投票することが出来ません。」
Isochrone APIは、任意の地点から任意の方向への移動時間を計算します。任意の場所までの実際のルートを考慮しているため、綺麗な円形にはなりません。投票場所の追加、削除、変更の際には、一番アクセスしやすいエリアを表示します。
Isochronesを作成する際に設定する指標はいくつかありますが、最も重要なのは「contour size」で、移動時間を分単位で設定することが出来ます。分析に適した値を設定し、車、徒歩、自転車のいずれかの移動手段を選択します。このユースケースでは、車での移動時間を20分としました。これは、昼休みに投票に行く場合、往復で40分かかることを意味し、待ち時間や直前の交通量は含みません。ここでは、ヒューストン、ハリス郡にあるNRGスタジアム周辺の20分間の運転時間のアイソクロンを示すクエリの例を紹介しますが、これはハリス郡内に残っている最後の投票所です。(以下のURL末尾のYOUR_MAPBOX_ACCESS_TOKENの部分に、ご自身のMapboxアカウントから取得したアクセストークンを代入してください。)
https://api.mapbox.com/isochrone/v1/mapbox/driving/-95.4068219375%2C29.6818331875?contours_minutes=20&polygons=true&generalize=0&access_token=YOUR_MAPBOX_ACCESS_TOKEN
CAPの分析では、テキサス州では有権者は投票するために別な郡に行くことができないため、この形状をハリス郡の境界に合わせて切り取っています。
2018年にProPublicaは、ノースカロライナ州の期日前投票ルールの変更が、州内の有権者にどのような影響を与えたかを調べました。
また、安全な投票手段へのアクセスを拡大しようとしている州や郡では、移動時間を分析することで、まだ十分なサービスを受けていない人々を特定することができます。
Isochrone APIを使って、アクセシビリティや公平性の問題に向き合っていきませんか?Isochrone APIを使い始める方法については、こちらのドキュメントをご覧ください。
*本記事は、Mapbox Inc. Blogの翻訳記事です。