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【インタビュー】ハッカソンでMapbox賞を受賞したチームおるかに迫る|Digital Hack day 2021 レポート

2021
10
29

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10月10日のデジタルの日にあわせ、Yahoo! JAPANがハッカソンイベント「Digital Hack Day 2021」を開催しました。総勢数百名のエンジニアやデザイナーがチームを作り、「日本のデジタル化」をテーマにさまざまなテクノロジーを用いてアイデアを実装し、作品を競い合いました。

マップボックス・ジャパンは協賛企業として、参加者にMapboxのテクノロジーとテクニカルサポートを提供しました。また、予選特別賞としてMapboxを使った素晴らしい作品へMapbox賞を贈呈しました。

今回は、見事Mapbox賞を受賞した「チームおるか」のお二人にインタビューを実施し、ハッカソンの出場経緯や作品の紹介、Mapboxを使った感想などを伺いました。ぜひご覧ください!

話し手:

チームおるか 西野さん、村田さん

聞き手:

マップボックス・ジャパン合同会社 尾崎、山家

▲インタビューの様子

目次

・チームおるかプロフィール

・毎朝の勉強会から決まったハッカソンへの出場

・受賞作品「MAPCHAIN」の紹介

・Mapboxを利用した感想

・今後の抱負

・Mapbox賞受賞

チームおるか プロフィール

山家:チームおるかのお二人の自己紹介をお願いします。

西野:現在大学三年生で、情報工学部で通信やインターネットの勉強をしています。去年からブロックチェーンの技術に興味があり、ブロックチェーンを勉強する学生グループに所属し、勉強しています。今回ハッカソンで使ったコードや、アプリを作るための技術は大学一年生の時から独学で身に着けました。今は独学でアプリ作ったり、サービスリリースしたりしています。

村田:西野くんと同じ大学で、同じく情報工学部です。学年は現在大学一年生なので、大学ではコンピューターの仕組みとか、基礎的な理論を学んでいます。


山家:お二人が一緒にチームを組もうと思ったきっかけは何ですか?

村田:二人とも出身が同じで、高校の時から仲良くて、色々作りたいねという話は当初からしていました。大学に入った時から一緒にアプリを作ったりしていて、今回ハッカソンに出てみようか。という話になりました。


毎朝の勉強会から決まったハッカソンへの出場

山家:お二人は頻繁にお話されているのですか?

西野:大学入学前から村田くんとはやりたいことをよく話していました。毎朝勉強しようと二人で決めていて、毎朝6時半にDiscordに集合しています。話す内容としてはさまざまで、ゲーム、開発、ニュースの話をDiscordで共有して、これすごいよね、どう思う?とかって議論をしています。

村田:土日もやっています。僕は朝が弱いので、みんなで集まるっていうプレッシャーで頑張って起きています。

西野:勉強会のメンバーも最近増えて、他にも2~3人メンバーがいます。この二人は始まってから今日にいたるまで毎日出席しています。


山家:ちなみに今朝の勉強会ではどんな会話をしたのでしょうか?

西野:最近「PostPrime」っていう副業ができるSNSがリリースされて、「あなたの投稿がお金になる。」というコピーライトなのですが、それが今回ハッカソンで作った「MAPCHAIN」とも似ていて、やっぱりアプリの流動性や仕組み作りが大事なんだね。という話をしました。


山家:今回のハッカソンはどこで見つけたのですか?

西野:Yahoo! JAPANのハッカソンは規模が大きいので、昔から知っていて、過去の動画も観ていました。いつかハッカソンに出たいねって話を今年の春にしていたら、今回出てしまいました(笑)

村田:いつものように朝の勉強会でDiscordにハッカソンの情報を載せたら、二人同時に出よう!と反応しましたね。


山家:これまでもハッカソンに出たことはありましたか?

村田:もっと規模の小さいハッカソンですが、2回出たことがあります。

西野:僕も4回ほど出たことがありました。



作品「MAPCHAIN」の紹介

LINEを通じて災害報告がリアルタイムに反映されるデジタルハザードマップ。 みんなで報告された情報を審議し、ブロックチェーンを用いた合意形成アルゴリズムによって信頼度を可視化します。LINE上で動かせるWebアプリLIFF(LINE Front-end Framework)で作っています。

「MAPCHAIN」の決勝のプレゼン(Youtube)はこちらから


山家:何に課題を感じてMAPCHAINを作ろうと思ったのでしょうか?

西野:日本には災害が多く存在していて、それを解決できるハザードマップを綺麗に作りたい。という小さい火種から始まりました。調べていくと、デジタルハザードマップや情報共有の仕組みは既にたくさんありましたが、実際に災害時に使われるのかというと微妙で、実際に使ってもらうための仕組み作りが大切だってところからMAPCHAINが生まれました。


山家:実際に使われる仕組み作りをつくるために、何から考え始めたのですか?

西野:普段から勉強会でインセンティブ設計を使ったものを作りたいとよく話していたので、今回ハッカソンでも、この前話したあれが使えるよね、っていう形で組み合わせていきました。

村田:ブロックチェーンを使ってインセンティブ設計をするというのは前々からやりたいと思っていた内容でした。ただ、ブロックチェーンを扱うには、ユーザーがウォレットを作っていないとインセンティブが渡せないというのが運用のハードルが高く、なかなかできませんでした。今回、提供技術の中にあった「LINE Blockchain」が想像以上に使いやすくて、LINEで本人確認することでウォレットを簡単に作れたので、それを使い始めました。


山家:他の提供技術は何を使いました?

西野:LINE Blockchain、Mapbox、LINE Messaging API、オープンデータを使いました。

Mapboxを利用した感想

尾崎:Mapboxを使うに至ったのはなぜでしょうか?自由な発想があって、当てはめていったら偶然Mapboxだったのか、提供技術を見てから自分たちが作りたいものを考えていったのですか?

西野:前者ですね。普段から問題解決するためにはどうしたら良いかを毎日話し合っている中で、ハッカソンの期間中にアイディアがわいて、それで提供技術を見たら、最適なMapboxがあったので、今まで知らなかったのですがMapboxを初めて使いました。


山家:初めてMapbox使ってみて、わからないことはありましたか?

村田:Mapboxの機能自体はとても使いやすくて、ドキュメントも充実していたので困ったことはありませんでした。ドキュメントは英語でしたが、技術系を触っているとドキュメントが英語しかないことが多いので、慣れていました。使いやすくて機能も充実していたのでまた使いたいです。


尾崎:Mapboxのサンプルコートは使いましたか?

村田:最初はドキュメントのExamplesを見て、Mapboxでどういうことができるかを学びました。Examplesが充実していたので、ぱっと見て何ができるのかわかるのが良かったです。

西野:どこで使うべきなのか毎回Examplesで確認していました。とてもありがたかったです。


山家:作品の中でMapboxはどのように使っているのでしょうか?

村田:Mapboxのレイヤーを使って、ハザードマップや避難所の情報を重ねて表示していたり、マーカーを使ってユーザーから共有された災害情報をを地図上に可視化しています。検索機能がなかったのが当時残念でしたが、その後リリースされて、間に合わなかったねって話をしました(笑)


今後の抱負


山家:今後もMAPCHAINは発展させていくのでしょうか?

村田:発展させていきたいです。機能の追加というよりは、仕組みをきっちり作りたいと思っています。インセンティブ設計をもう少し見直せる部分があるので、そこを見直します。あとはMapboxを使った災害の共有に絞って、自治体と連携して、実証実験をやっていけたらいいと思っています。

西野:いわゆる「未来を見せるプロダクト」と言いますか、今すぐにはリリースはできませんが、いずれ色々な問題が解決したら、こんなことができるということを見せていきたいです。

山家:MAPCHAINに限らず、今後のお二人の抱負を教えてください。

西野:今回Mapboxに初めて触れることで、デジタル地図の新たな可能性に気付きました。ただの平面地図ではなく空間情報だったりだとか、今まで思っていた以上にデジタル地図は重要な役割を担うプラットフォームになっていくと思います。僕たちの中でも地図ってこういうところにも使えるよね、という会話をすることが増えたので、今後分野問わず、エンタメや便利ツールなど新しいアイディアでMapboxを使ってみたいです。

村田:西野くんと普段から話しているのでだいたい同じになってしまうのですが、ブロックチェーンを使って、小さい部分からでも使われるものを段階的に作っていきたいです。


Mapbox賞受賞

以下、チームおるかの「MAPCHAIN」審査時の高田CEOからのコメントです。

実際の課題解決:UGC(User Generated Content)的に情報を集約し地図を作るというアイデアは存在したものですが、報酬がうまく機能せず広がらない課題があると思います。このHACKはトークンを利用してその報酬設計をし、それを実装していることが素晴らしいと思います。
応用がイメージできる:ユーザーが投稿した情報自体もNFT化することで、報道機関などへ販売して収益をあげ投稿者に還元したりすることができます。また災害はフェイクニュースがつきものですが、ファクトチェックなどにも使えるかもなど、展開の想像がつきました。
他の展開:今回は災害でしたが、他のプラットフォームとして他のテーマにも展開可能ではないかと思います。具体的にはUGCでPOI情報を集める類のサービス(グルメ、旅、レジャー)には応用可能なのではと思います。今後もプロジェクトを推進するのであれば、ハッカソンの枠組みに止まらず、ご支援したいと思いました。


山家:Mapbox賞のドローンはどんな使い道をしますか?

村田:せっかくいただいたので、災害地図に情報を追加するとか、そういう使い方ができたら嬉しいです。


デジタル地図の活用方法に関する今後のお二人の柔軟なアイディアが非常に楽しみです。西野さん、村田さん、貴重なお話ありがとうございました!



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