2023年もMapboxにとって、着実な成長、素晴らしいお客様とのパートナーシップ、新製品の発表など、年間を通して忙しい一年となりました。特に印象に残った今年の主な成果をいくつかご紹介したいと思います。Mapboxスタッフ一同、皆様が楽しい休日を過ごされ、豊かな新年を迎えられることを願っております!
製品発表で開発者体験を強化
毎年恒例の半日バーチャルイベントBUILD with Mapboxでは、最新の製品リリースや今後の機能、位置情報テクノロジーの幅広いトレンドが紹介されました。 製品のアップデートやリリースの多くが、開発者がMapboxを使って効率的かつ効果的に開発できることに重点を置いたものです。
Search Box APIで直感的なフロントエンド検索を追加
新しいSearch Box APIは、住所、場所、POIをシームレスに統合することで、高速でユーザーフレンドリーな検索体験を保証します。 今年のPOIデータパイプラインの強化により、さらにリッチなデータが提供され、リアルタイムの更新が可能になり、カバレッジが倍増しました。高度なアルゴリズムによって検索候補、位置情報の傾向、あいまいな検索も提供しています。このAPIには豊富なドキュメントと試しに触れるAPI playgroundが整備されています。
Snowflakeクラウド内でジオコーディングと境界線データを使用する
データ管理と分析にSnowflakeを使用している方にとって、Mapbox Snowflake Native Appは、Mapbox Geocoding APIと Boundaries Data(境界線データ)を使用して、簡単なSQL文で地理空間データのクレンジング、集計、分析を効率的に行うことを可能にします。
Snowflake Native Appは、開発者からのフィードバックに基づき改良した最新バージョンのGeocoding v6を搭載しています。よりスループットの高いバッチ処理や、結果の精度の可視性の向上などを備えています。
3DはMapboxの新しいスタンダード
Mapbox Standardマップスタイルは、パフォーマンスの高い3D体験を提供します。 このスタイルでは、ランドマークとなる建物、3D地形、照明、霧、被写界深度などの環境機能が強化され、豊かなディテールが追加されました。
また、スタイルの維持に必要な技術的負担や地図製作の専門知識も軽減されます。 カスタムレイヤー用の「スロット」が追加されたことで、開発者は120以上のレイヤーを解析してカスタムレイヤーを配置する場所を探す必要がなくなりました。
さらに、Mapboxは開発者が手動でアップグレードすることなく、スタイルや地図データを更新できるようになりました。
開発者からのフィードバックをGL JS v3とMobile Maps SDK v11に反映
正式バージョンのGLJS v3とMobile Maps SDKs v11には、開発者からの広範なフィードバックとテストに基づいた数多くの機能強化が含まれています。 たとえば、Mobile Maps SDKs v11 は、SwiftUIおよびJetpack Compose宣言的UIツールキットをサポートして構築されています。Tracing APIとThe MapRecorder API (iOSおよびAndroid用) です。
動的ビュー注釈 (iOSおよびAndroid) の新しいオプションにより、開発者はラベルなどのビュー注釈を、点以外のジオメトリを使用して配置する自由度が増しました。たとえば、建物のポリゴンの角や路線に沿ってラベルを配置し、カメラが移動するとラベルが動的に調整されるようにすることが可能になりました。
車載ソフトウェアのメガトレンドを牽引
東京で開催された今年のSoftBank Worldで、Mapbox CEOのPeter SirotaとMapbox CTOのYoung Hahnは、より安全で快適な旅を提供するために、MapboxがどのようにAIの力を自動車システムのマッピングとナビゲーションに適用しているかをお話ししました。 講演では、AIと自動車に見られる4つのメガトレンド、3D、自律性、電動化、GPTについて説明しています。
また、2023年AutoTech Breakthrough Awardsにおいて、2年連続で「Navigation Technology Solution of the Year」に選ばれたことを光栄に思います。
Mapbox for EVが街頭に登場
Mapbox for EVは、EVに最適化されたルート企画、リアルタイムの充電ステーションの情報、統合された充電決済のための包括的なエンドツーエンドソリューションです。 特に、自動車業界のパートナーであるBMWが、Mapbox for EVの機能を搭載した2024年のEV車を展開しているのを見るのは、とても嬉しいことです。
自動操縦システムを変える
今日の自動車用オートパイロットシステムや自律走行システムは、依拠する地図データのカバー範囲と最新性によって制限を受けていることをご存知でしょうか。高精細な自動車地図データを作成するための従来のアプローチは、主に高速道路に焦点を当てた低速で高価な車両走行によるものでしたが、これでは自動操縦を解除する原因となるギャップが残ってしまいます。 新しいMapbox Autopilot Mapは、毎日道路を走っている一般車両のセンサーからのデータを活用することで、この課題に取り組みます。
良い意味で ”言い返す" インフォテインメント
MapGPTの登場はドライブ体験を完全に再定義するでしょう。MapGPTは、自然な会話とスマートな車内アクションのために設計された、位置情報を理解するAI音声アシスタントです。 MapGPTは、アプリケーションや車両にシームレスに統合するAIアシスタントを作成するためのカスタマイズ可能なプラットフォームとして提供されます。
セクターを超えて拡大し続けるポジティブ・インパクト
このような多様な業界に付加価値を与える位置情報テクノロジーを構築する上で最もやりがいのあることのひとつは、2022年の最初の年次サステナビリティ・レポートでご紹介したように、非営利およびサステナビリティ分野のお客様がどのように活用しているかを目にすることです。 2023年、Mapboxは森林再生、海洋浄化、インフラ整備の革新的なソリューションを持つ3つのパートナーを含む、ポジティブ・インパクト・パートナーのコミュニティに230万ドル以上の製品寄付とスポンサーシップを提供しました。
フィリピンでMapboxの森を育てる
EcoMatcherは、パートナーと木を植え、デジタルブロックチェーンベースのプラットフォームを使って個々の木を追跡し、植樹された木を有意義な企業ギフト、報酬、賞品として、または従業員エンゲージメントのために(フィリピンで1,750本の木を植えているMapboxのように)企業と提携するベネフィット・コーポレーションです。 今年、EcoMatcherは、Mapbox GL JSとMapbox Mobile Maps SDKsを使用して構築された、Webとモバイル用のマップビジュアライゼーションを発表しました。
海運業界がモバイルマップで海洋汚染に取り組む
Eyeseaは海運・海事業界のボランティアによって運営されている非営利団体で、モバイルアプリを使って海洋ゴミのデータとジオタグ付き写真を収集しており、そのデータは、業界全体のEyeseaパートナーによって、清掃活動の計画と実行に利用されます。Eyeseaは今年アプリのパフォーマンスと信頼性を向上させるためにFlutterとMapboxで構築された最新のアプリを発表し、ユーザーフレンドリーな汚染分析とデータ管理プラットフォームの共同開発を続けています。
地方のインフラ・プロジェクトのためのロケーション・インテリジェンス
Bridges to Prosperityはこの夏、Fika Mapの最初のバージョンを発表しました。これは、Mapbox GL JSで構築され、3D地形と詳細な衛星画像を特徴とする画期的なロケーション・インテリジェンス・ツールです。 Fika Mapは意思決定支援ツールであり、地方の低所得地域におけるインフラプロジェクトを計画するために、政府のリーダーや地域コミュニティに実用的な洞察を提供します。機械学習モデルは、画像と現地ベースのニーズ調査からのトレーニングデータを処理し、農村部の住民にとって横断が困難または不可能な地形の障害を予測し、予想されるコストと地域住民への影響に関する洞察と組み合わせます。
2024年に向けて
2023年に見られたイノベーションと開発をもとに、 2024年にMapboxのお客様と開発者のコミュニティがどのようなものを創り出すのか楽しみでなりません!
*本記事は、Mapbox Inc. Blogの翻訳記事です。