芝浦工業大学が実施するCross-cultural Engineering Project 2023(以下、CEP)のアクティビティとして、12月17日〜19日に栃木県那須町にて「那須町のインバウンド観光を促進するデジタル地図サービスの創出」をテーマとしたワークショップが実施されました。
世界8カ国82人(日本、タイ、ベトナム、インドネシア、ウズベキスタン、中国、台湾、メキシコ)の学生たちが全14チームに分かれ、那須地区の企業や団体を訪問してヒアリングを行い、発見した地域課題に対して、Mapboxを活用しながら、課題解決に繋がるデジタル地図サービスを作成しました。
本記事では、全14チームの中から抜粋して作品をご紹介します。
発表内容
外国人観光客にも親切な、わかりやすい経路案内マップ
このチームは、那須塩原駅から、ソフトクリームが好評の那須高原 南ヶ丘牧場までのアクセスを可視化したストーリーテリングマップを作成しました。在来線のバスから観光周遊バスへの乗り換えが外国人観光客にとって複雑なポイントのため、英語での説明文に加え、乗る場所を書いた簡単な図を地図上に表示することで、行き方を丁寧に解説します。他の観光施設にも横展開することを見据えて、説明文にChatGPTの技術を活用することで、開発工数の削減を実現しました。
不安定な路面などの危険箇所を避けた経路案内
このチームでは、ソラコム社のセンサーを車に搭載した状態で走行し、GPS・加速度・ジャイロ等を計測することで、ルート上の危険な箇所を推測しました。路面状態以外にも、水はね、交通事故などの危険箇所の情報をマップ上に見やすいアイコンで可視化し、ルート生成の際はユーザーが危険箇所を避けるルートも選択肢から選べるように開発しました。
過去の移動履歴に伴う観光地提案
このチームでは、初めて訪れる外国人観光客は観光地を知らないという課題から、ある地点を起点とし、他の人はその場所からどこへ移動しているかを可視化するマップを作成しました。例えば、ホテルを起点とした場合に、ホテルからよく訪問されている観光地を表示することが可能です。起点場所を変更していけば、人気のルートを辿っていくこともできます。
温泉に対する外国人の心配を払拭する温泉情報マップ
同じチームの外国人に温泉に対する心配事をヒアリングしたところ、肌の露出やタトゥー、硫黄の匂いなどの声が上がったそうです。そこで、タトゥーが入っていても入浴できる温泉や、水着を着用しながら入浴できる温泉などの情報をまとめて地図上に可視化していました。さらに、外国人が興味を持つ温泉の歴史的背景などを解説するストーリーテリングマップを作成していました。
他にも、ルート上の交通渋滞情報を反映したマップや属性情報や興味を入力すると旅行先を提案してくれるAIサービス、思い出写真を地図上に投稿するプラットフォーム、あまり知られていない観光地の声を集めるレビューシェア地図サービスなど、面白いアイディアが多く生まれました。どのチームも、3日間という限られた時間で全力を尽くして考え抜き、試行錯誤しながら、Mapboxを実装するところまで仕上げており、素晴らしい完成度だと感じました。学生の皆さん、お疲れ様でした!
Mapboxは、教育でのMapboxの活用を支援しています。教育支援を通して「デジタル “マップ” ネイティブ」の誕生に寄与することで、デジタルマップの利活用促進や業界の発展のみならず、地図を通したグローバル人材の育成に貢献したいと考えています。
授業での活用やワークショップを行いたい場合は、ぜひお問い合わせください。