9月18日に本番を迎えるツール・ド・東北 2022では、ゴールドスポンサーであるマップボックス・ジャパンが主体となっておこなう「リアルタイムマップ東北応援企画」が公開されます。人々の東北への思いを可視化するプロジェクトの舞台裏とは。運用に当たっているエンジニアのみなさんにマップのへのこだわりや準備状況、本番に懸ける思いなどを聞きました。(前編はこちら)
模擬コースで位置表示や映像配信を確認
本番まであと約40日となる8月8日には都内で機能検証のためのテストが行われました。皇居周辺に東北のコースを模した全長7.5kmのコースを設定。ライダー2人が実際に自転車で走行し、ライダーの位置表示は正しくできているか、映像配信は行われているかなどを確認しました。
当日は気温30度を超える暑さの中、1時間半にわたってテスト。サーバーやデータ処理といったユーザーには見えないバックエンドを担当する谷幸成さんは、「心づもりはできていましたが、結構課題は多いなという印象です」と感想を話しました。
ライダーの位置情報が、うまく表れない場面がありました。またもう一つの特徴である映像も動かなくなるといった不具合が発生。テスト開始当初は問題が発生し、何度も走行を止めてセッティングをチェックすることを繰り返しました。
「最初は本当に厳しかったです。データとにらめっこしながらバグの特定に当たっていました。ただインフラの構成ができており修正を繰り返しても、見た目に影響なかったのは良かったです」(谷さん)。トラブルについて「プレッシャーを感じた」と話す桑原さん。その一方で「ここで問題を見つけたことは成果であり、それを見つけるためにテストを実施したので、有意義だったと考えています」と前を向きました。
そんなテストはエンジニアのメンバーも各所に散らばって、テレワークで対応しました。最後は形にしたチームについて、涛さんは「最初はうまくいかず頭を抱えましたが、最後はドラマチックに改善されていき、チームワークの良さを感じました」と、笑みを浮かべました。
本番まではあとわずか。エンジニアのみなさんはテストで出た課題解決にあたり、より精度の高いリアルタイムマップに向けてブラッシュアップを誓います。プロジェクトを統括する八木英訓さんは「いかにユーザーにとって操作しやすく、また、新しい地図体験をしていただけることを意識しています。ぜひリアルタイムのライダー位置や映像を交えた地図を楽しんでほしいです」と期待します。
また同じく統括メンバーの加藤倫さんは「スポーツ×地図は様々な可能性があると思いますが、まずはそれを形にして見ていただき、大会をより盛り上げる存在になれればと考えています」。「リアルタイムマップ」は東北への支援、ライダーの応援はもちろん、新しいスポーツ観戦のスタイルを感じる舞台でもあります。