9月18日に本番を迎えるツール・ド・東北は2019年以来、3年ぶりにリアル開催となります。各地から集まった1500人のライダーが疾走する一日を心待ちにする地元の方の思いとは。南三陸町の佐藤仁町長は「東日本大震災から復興に向けて歩む町の姿を目に焼き付けてください」と話します。
折り返し地点、神割崎できれいな海を
南三陸町はスタート・ゴール地点である石巻市の北隣に位置し、コース上では一番北にある自治体。町の基幹産業は養殖漁業で、志津川湾内ではカキやホタテ、ワカメ、ホヤが養殖されています。100kmを走行する「北上フォンド」では同町の神割崎が折り返し地点となり、町内唯一のエイドステーションが設置されます。
南三陸地域屈指の景勝地として知られる神割崎。二つに割れた岩の間から押し寄せる波しぶきは迫力十分です。「エイドステーションでは、浜のお母ちゃんが作るシーフードカレーのおもてなしもありますので、ぜひお召し上がりいただきながら、南三陸のきれいな海を見てほしいですね」。
大会の趣旨の一つには「震災の記憶を未来に残していくこと」があります。津波で大きな被害のあった町が、「どのように震災から立ち上げ上がっていったかを目の当たりにできる機会」と、ツール・ド・東北について佐藤町長は捉えています。
その上で、町民の皆さんも全国から来るライダーの背中を押します。「過去の大会では、多くの方が沿道で旗を振りました。町民の皆さんも『主催者』の一人というくらいの気持ちでお迎えしているのではないでしょうか」。
「速く走りたい、景色を楽しみたいなどそれぞれに目的はあると思いますが、復興していく街の様子を肌で感じていただきたい。そして、この大会の影のヒーローであるライダーの走行を毎回温かく見守ってくれるドライバーさんたちへ感謝し、最後までファンライドを楽しんでいただけるよう当日は晴天になりますようにと」。佐藤町長はライダーの方々にエールを送ります。