「ツール・ド・東北に向けた準備は佳境を迎えています」。ツール・ド・東北のリアルタイムマップ東北応援企画プロジェクトを統括する山崎友敬さんは、充実した表情を浮かべつつ現状を話しました。大会をゴールドパートナーとして支えるマップボックス・ジャパン。各スタッフが9月18日の本番に向けて、着実に歩みを進める中、「司令塔」である山崎さんにこれまでの準備の様子や、このプロジェクトの先にあるものなどを伺いました。
喪失感から1年、「プラスアルファ」届ける機会に
マップボックスが大会に関わるのは2年連続ですが、2021年の大会は、残念ながらコロナの影響でリアル開催が中止になり、現地での走行はありませんでした。マップボックス・ジャパンが設立されたのは2020年で、昨年は入社まもないメンバーでチームを組んでプロジェクトを進行。「リアルタイムマップ東北応援企画」の製作を進めたものの直前で中止となり、「喪失感があった」と振り返ります。
「コミュニケーションを通してお互いを理解しながらプロジェクトを進めました。基本、業務外の時間でプロジェクトの作業をおこなうため、エンジニア同士の議論は白熱し、深夜に及ぶこともありました。2021年でのお披露目はなくなりましたが、社内のつながりを構築する良い機会となりました。また、プロジェクトで開発した成果は、別のロードイベントや翌年のツール・ド・東北で、何らかの資産として活用できればという気持ちで、次の機会まで一旦凍結ということにしました」
今年のツール・ド・東北にてリベンジのチャンスを得て、今年こそリアルタイムマップを成功させるべく、今年春からプロジェクトを進めています。「難しいことをやっていると思います」。リアルタイムマップでは、ライダーの持つスマートフォンに入っている安否確認用の公式アプリを使って位置情報を取得し、それを地図上に反映します。スマートフォンのバッテリー消費を考慮し、限られた頻度で位置情報を取得するため、走行速度が時々刻々と変わるライダーの位置をリアルタイムで表示するのは非常に難易度が高いです。地図上でのスムーズな表示を実現させるべくこだわって開発を進めました。
「プラスアルファ」をキーワードに昨年にはなかった機能も追加。「ユーザー検索」で家族や友人のニックネームを調べると、リアルタイムマップの中でその人を特定し、走行位置を知ることが可能になりました。「現地に行けない人が、『あっここを走っている』とか、『峠に差し掛かっているからより応援しよう』といった体験をしてもらいたいです」。さらに、走り終えたライダーが自分の走行をリアルタイムマップでもう一度振り返ることができるよう、リプレイ機能も追加しました。
その他にも大会当日はスタート・ゴール地点でブースを出展し、「リアルタイムマップ」の体験を実施。マップ自体の開発も含めて総力を挙げて、リアルタイムマップを通じたツール・ド・東北の盛り上げに、そして東北の応援に取り組みます。
「ツール・ド・東北というプロジェクトを通じて、有志のメンバーが一つものを作り上げていく経験から社内コミュニケーションの深化につなげたいですね」。さらに「まずは社内一丸でやりきる。特にリアルタイムマップはこれで終わりではなく、オープンソース化することで多くの方にマップボックスの地図を使ってもらう機会としたいです」。今回のチャレンジがより強い組織をつくることに寄与することを願います。