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現地検証でリアルタイムマップをさらに進化 統括メンバーレポート -Road to TOHOKU#07

2022
09
17

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ツール・ド・東北本番まで残り2週間と迫った9月2日(金)、Mapbox Japanのツール・ド・東北プロジェクト統 括メンバーは、大会が開催される宮城県石巻市と女川町を訪れました。現地ではリアルタイムマップの 運用テストを実施。その模様を統括メンバーの八木英訓さんによるレポートで振り返ります。 

現地訪問の目的とは? 

主に、以下の課題を確認することが、現地訪問の目的でした。

  • リアルタイムマップが本番サーバー x 現地環境でも動作するのか 
  • 東京テストの不具合が改善されているのか 
  • 当日の現地の運営手順とスタッフ・機材配置の現地確認 

大会エリアは、海沿いの山間部を通るルートが多いため、通信環境が一番の懸念点でした。その点を重点的に確認することが、一番の目的。また、8月8日(月)に実施した東京テストで挙がった課題に、1ヶ月間をかけて改善をしてきましたので、その点の確認も行いました。 

重点検証項目を盛り込んだ現地のコース 

通信環境が最も過酷と想定される、女川エイドステーション予定地から新北上大橋までの約26kmの区 間を対象に設定。リアス式海岸沿いを通るアップダウンの激しい道路や、全長1kmのトンネルを含む各 所に存在するトンネルなど、通信環境の障害となる要素が多いと想定しました。 

検証の体制と内容は… 

現地でのスムーズな移動と効率的な検証のため、自転車ではなく、可能な限り徐行走行する車で実施 しました。ドライバー1名、同車内にリアルタイムマップ検証員2名、加えて、リモートで開発メンバー3名 も参加しました。 

  • 車のフロントにLIVE映像配信用の携帯電話端末を設置 
  • 大会当日、ライダーの位置情報を取得する大会公式アプリを試験利用 
  • 本番を想定したフロントエンド、バックエンドの処理をリアルタイムマップで確認

途中休憩を挟みながらも、正午から午後4時にかけて、現地での検証を行いました。 

通信環境は想定以上に過酷だった 

検証区間の多くの地点で、4G通信速度を保てず、LIVE映像配信が何度も途切れてしまいました。 その過酷さは想定以上。しかし、そういった現象は事前に想定していたため、LIVE映像配信が途切れ たとしても、自動的に再接続する機能を配信アプリ側に実装しておいたため、配信サービスとしては継 続できることを確認できたことは、大きな収穫でした。したがってライダーがこういったエリアを走行中、 通信が切れて映像配信が一時的に止まってしまったとしても、映像配信サービスは撮影中のライダー も、閲覧中のユーザも、通信の回復後に自動復帰するように設定されています。 

▲電波が弱い山中に入り 配信が止まってしまった 
▲トンネルの中も検証。最も心配していた1kmのトンネルは通信状況が良好で 通信が切れないことを確認

ライダーの位置表示は大幅な改善を実感 

ライダーの位置情報を取得する「大会公式アプリ」は、デフォルトで1分間に1回ユーザーの位置情報を サーバーに送る設定となっています。そのことから位置情報が更新されない1分間の間、リアルタイムマップのバックエンド側で、最後に取得した走行速度情報などからユーザの位置を推定し、よりリアルタ イムに近い表示ができるよう処理を実施しています。 

このプログラムは東京テスト後に、大幅な改修をしていました。結果、リアルタイムマップで推定されて 表示されるライダーの位置と、GPSがリアルタイムで表示する位置が、ほぼ同じ位置で表示されること を確認。位置推定処理が正しく動作していることの立証もできました。 

大会当日の様子を特設定点LIVEカメラからもお伝えします 

自転車ライダーからの眺めだけではなく、スタート地点や、エイドステーション、ライダーが苦労する上り 坂地点から、定点カメラでLIVE映像をお届けします。 そのため、当日は、Mapbox Japanスタッフが、安全に配慮しながら、大会の雰囲気もお伝えしていきま す。現場を確認しながら、当日のオペレーションをシミュレーションする作業も、計画的に実施してきまし た。

 

▲スタート/ゴール地点で、図面を見ながら当日現地で実施されるイベントの位置と、スタッフの配置を確認中 
▲女川AS予定地で、定点LIVEカメラの位置と画角を検討中

まだまだバージョンアップするリアルタイムマップ 

検証中に見つかったバグ修正に加え、リアルタイムマップを閲覧するユーザーが楽しめる機能を、実装 していきます。特に、「リプレイ機能」は、約1500人の中から特定のライダーをニックネームで検索して、 その人の走行記録を後から地図上で確認することができることから、目玉機能となっています。ライ ダーご自身だけではなく、応援するご家族やご友人もお楽しみいただけます。また、大会後には、ライ ダー全員のリプレイ機能を搭載することも計画をしております。 

その他、閲覧ユーザーがインタラクティブに地図を楽しめるよう、Twitterでのみなさんからの応援メッ セージや、ライダーのレース中のツイートを表示する「Twitter一覧表示機能 (#ツールド東北)」や、みな さんの応援する気持ちを、リアルタイムマップ上のハートボタンを込める「応援ボタン」も追加しました。 

大会直前まで、リアルタイムマップをバージョンアップさせていき、皆様が楽しめるサイトにしていきま す。当日はぜひリアルタイムマップをご覧いただき、自転車のファンライドを通じた地図の様々な楽しみ 方を体感してください。 

今回の事前現地訪問を経て、メンバーは東日本大震災の衝撃的な傷跡と、力強い復興の成果を実感 しました。このリアルタイムマップ東北応援企画が、微力ながらこの大会を盛り上げる一助となることで、 大震災の風化防止と現地の皆様への貢献となれば幸い、と心に誓い取り組んでいきます。

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